高身長トレーニーのみなさんこんにちは!イワマルジムのイワマルです。今回はトレーニングメニューは「高重量低回数」で組むべきかそれとも「低重量高回数」にした方がいいのかについて考察していきます。
高重量低回数か?それとも低重量高回数か?
筋トレを始めてみたもの筋肉がついた実感が湧かず、自分のやっているトレーニングの負荷が適切なのか不安になってはいないでしょうか?。みなさんもネットで調べてみたことがあるかもしれませんがそうすると大抵2つの説が見つかります。
- 説1 筋トレはできるだけ高重量でやった方がいい
- 説2 筋トレは低重量でやるのが合理的
この2つはどちらももっともらしいことが書かれているため、調べれば調べるほどよく分からなくなってしまいがちです。あなたもこんがらがっている最中かもしれません。
先に今回の結論をお伝えすると「ほどよく高重量で6〜10回(レップ)がベスト」です。どちらかと言うと高重量低回数といえますがこれだけ言われてもさらに混乱が増してしまいそうですね。本記事では研究者目線でどちらが正しいかではなく、どの戦略を選ぶべきかというトレーニー側の視点で考察を行いました。考察を省略してすぐトレーニング法を知りたい方は「目標にすべき重量・レップ数・セット数」まで飛んでください。この結論に至るまでを順を追って解説していきましょう。
最初に覚える王道トレーニング
ネット情報に翻弄されている僕ら高身長トレーニーですが、トレーニングを始めたばかりの頃は10回くらい上げられる重さを目安に始めたのではないかと思います。多くの入門解説で最初に勧められるのがこの重量設定なので、王道の重量設定と言っていいでしょう。
ところがこうした目安があるにもかかわらず僕らは低重量もありなのではないかと考えてしまいます。
迷いの原因① ネットにあふれる筋トレ情報の数々
王道の重量設定があるのに他の手段に飛びついてしまうのは一体なぜなのでしょうか?
これには2つの原因があると考えられます。
原因の1つ目は「トレーニングの答えがひとつではない」ことです。
まず「高重量と低重量のどちらが筋肥大に有利か」という一つのテーマに対して、なぜ複数の結論が存在しているのなぜなのでしょうか?これは筋トレという分野がまだ研究途上にあることが関係しています。筋トレに関する情報は日夜新しい研究結果が発表されている状況があります。王道と思っていたことと真逆の筋トレ情報がそれらしい根拠を伴って発表されることもしばしばです。
迷いの原因② 高身長トレーニーは不安を抱きやすい
王道を信じきれない原因の2つ目は高身長トレーニーが不安を抱きやすい条件下にいることです。
太く見えづらい筋肉
次に高身長トレーニーは筋肥大していても目に見えづらいという特徴があります。筋トレの効果は身長に関わらず実感が湧くまで数年単位の時間がかかるのですが、高身長だとこの傾向がより顕著です。
これは僕らが筋肉の太さと呼んでいるものが正確にはプロポーション(比率)を指していることに起因しています。同じ腕の太さでも腕が長いと相対的に細く見えるということが起こります。
高身長だと平均よりも手脚のリーチが長くなるため標準身長の人と比べて相対的に筋肉がが太く見えづらいのです。
関節への不安
また高身長トレーニーは関節の負担に敏感になりがちという特徴があります。
リーチが長くなることでモーメントが働き、同じ重さでも関節にかかる負荷が大きくなります。実際に関節は痛めやすくなる傾向があるので関節への刺激に対して敏感になります。
こうした事情も自分のトレーニングに不安を感じやすくなる要因です。
高身長トレーニーは少数派
そして日本国内では高身長でボディメイク系のトレーニングをする人が少数派という事情もあります。
少数派だからこそ「普通」といわれる筋トレ手法は本当に自分たちに適した方法といいきれるのか疑問を感じながらトレーニングをすることになります。
仮に標準体型の人にはベストな手段だとしても、高身長特有の懸念事項は考慮されてないのではないかと不安になってしまうわけです。
王道のやり方を信じきれない理由
こうした理由から、王道のトレーニングで効果が感じられないとそれは自分の身長のせいではないか?と感じ、普通じゃない手法の方が自分にあっているのではないか、という思考にたどり着くことになるわけです。
重量設定のモヤモヤを解消する考え方
ここまで高身長トレーニーが重量設定で迷いやすい理由を整理してきました。ここからはどのようにすれば重量設定のモヤモヤを解消できるか考えていきましょう。
<考え方 その1>筋トレ理論は流行ファッションと同じ!長く続けるにはスタンダードをよりどころにすべし
話がそれますがファッションには流行り廃りがあります。どんどん新しいものが生み出されては数年後には時代遅れになり見向きもされなくなります。かと思えば数十年前のファッションが名前を変えて復活してたりもします。実は筋トレも似たところがあります。最新の研究が次々と発表されていることは先の方で触れました。加圧トレーニングやコアトレーニングなど一時的にもてはやされた手法もあります。筋トレにも流行があるわけです。
ここで忘れてはいけないのが筋トレはファッションと違い効果が出るまでに長い時間がかかることです。コロコロ変えては効果の出ようがありません。最新のデザインの服ではなくUNIQLOの可もなく不可もないデザインの服が一番長持ちするように、筋トレでもスタンダードな手法は長く継続するのに適しています。
最新の筋トレ理論を否定するつもりはありません。とはいえちょっと暴論ですがこのくらいのスタンスの方が情報に振り回されなくてちょうどいいでしょう。
<考え方 その2>高身長を言い訳にできないモデル手法を探す
また高身長は筋トレで不利という件についてですがこれも囚われすぎると何もできなくなります。僕らは筋トレ研究の専門家ではないので高身長に適した手法を見極めようとしたところで判断基準がないんです。
ここで手掛かりになるのが、参考にする筋トレ手法発信者の身長です。Youtube解説や筋トレ教本を読み始める前に発信者の身長を調べてみるんです。筋トレ方法の発信者の多くは自身も成果を残している有名トレーニーであることが多いです。彼らの理論は実体験に基づいています。自分と同じくらいの身長の人であれば自分と似たような悩みを経験しているわけなので、身長に由来する悩みはその人のやり方にも折り込み済みと考えることができます。
正統派×高身長ビルダーはどう考える?
つまり「スタンダードなやり方」と「高身長トレーニーが発信してるやり方」の2つを同時に満たすものが僕らが参考にすべきトレーニング方法といえます。
「スタンダードなやり方」 × 「高身長トレーニーが発信してるやり方」
この条件を満たすトレーニング方法を、僕、探しました!それがこちら。
アメリカのボディビルダー、クリス・アセート著の『究極の筋肉を造るためのボディビルハンドブック』です。
2000年代、まだ筋トレ情報がネットに溢れる以前のボディビル界隈で読まれたという王道ど真ん中の筋トレ教本です。そしてなんといっても著者のクリスは身長が5フィート11インチ。メートル法に直すと僕と同じ180cmです。これは参考にしない手がない!
というわけでスタンダードかつ高身長のクリスの考え方をご紹介していきたいと思います。
目標にすべき重量・レップ数・セット数
今回参考にしたクリス・アセートの重量・回数設定のポイントは次の通りです。
- ほどよく高重量(=6〜10レップで上げられる重量)
- レップ数は6〜10回
- 各レップは速い動作で行う(ウエイトは上げるのではなく爆発させるイメージ)
- セット間の休憩は息が整うまで十分に行う(1〜4分程度)
- 合計のワークアウト時間は1時間以内
それぞれ詳しく解説していきます。
①ほどよく高重量
ここでいう「ほどよく」とは目標のレップ数(=6〜10回)をこなせる限界の重さのことです。あなたがベンチプレス で60kgを6〜10回なんとか上げることができるとすれば、60kgがほどよい重量です。
②レップ数は6〜10回
レップ数とは1セットの中で行う動作の数のことです。ベンチプレスを例にすると、バーを胸の高さまで下げたあと真上にバーを上げる動作を10回やるのが10レップです。
③各レップは速い動作で行う
クリスは「加速のテクニック」と呼んでいました。ウエイトを上げるときは上げるのではなく「爆発させる」イメージを持って速い動作で行うことが必須としています。
④インターバルはは息が整うまで(1〜4分程度)
インターバル(セット間の休息)は息が整うまで十分に取ります。スクワットなどトレーニング強度の大きい種目では4分は取りましょう。上腕筋のような小さな筋肉では1分くらいでも構いません。
⑤セット数は筋肉の大きさでわかる
適切なセット数は筋肉の大きさで変わります。
- 小さな筋肉(上腕筋、カーフなど) → 4〜6セット
- 大きな筋肉(背中、肩、胸、脚) → 8〜12セット
これらはセット間の休息が十分に取っていることを前提にしています。セットの初めに低重量でウォーミングアップをする場合はそれもセット数に含めます。
⑥ワークアウト時間は1時間以内
ジムでワークアウトをする合計時間は1時間以内としましょう。エネルギーの消耗が大きくオーバートレーニングの原因になります。クリスは時間の長いワークアウトは「非生産的」と語っています。
まとめ
今回は筋トレは高重量と低回数のどちらがいいかに始まり具体的なトレーニング方法の紹介を行いました。重量設定でモヤモヤしている高身長トレーニーさんにとっては考え方の軸を見直す機会になったのではないでしょうか。今回のポイントをおさらいすると次のとおりです。
- トレーニングは王道の「ほどよく高重量」で行う
- 「スタンダードなやり方」で「高身長トレーニーが発信してるやり方」を参考にする
- クリス・アセート(身長180cm)の筋トレ法
記事中でご紹介したクリス・アセートの著書はこれ以外にも、食事法や減量法などボディメイクに必要な情報が網羅されています。興味のある方はご自身の手に取って実際に本を読んでみるとさらなる発見が待っていると思います。以上、最後までお読みいただきありがとうございました。